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2013年2月21日の一問

平成14年第2問

 

 

 

AがBの代理人としてCとの間で、
B所有の土地の売買契約を締結する場合に
関する次の記述のうち、民法の規定によれば、
正しいものはどれか。

 

 

 

1 BはAに対してCとの間の売買契約を
委任したがAがDをCと勘違いした要素の錯誤
によってDとの間で契約した場合Aに重過失が
なければ、この契約は無効である。

 

 

 

解答○代理人による契約では錯誤があったか
どうかの判断は実際に意思表示を行った代理人
について判断する。
本肢では代理人Aが無重過失で要素の錯誤に
陥っているのだから、契約は無効である。

 

 

 

2 Bが、AにB所有土地を担保として、借金
をすることしか頼んでいない場合、CがAに
土地売却の代理権があると信じそれに正当の
事由があっても、BC間に売買契約は成立
しない。

 

 

 

解答×無権代理の相手方が「代理人に土地売却の
代理権があると信じそれに正当の事由がある」
という記述から無権代理の相手方が
善意・無過失であることが読み取れる。
よって本肢の場合、表見代理となるのでBC間
の売買契約は成立する。

 

 

 

3 Bは未成年者であっても、Aが成年に
達した者であれば、Bの法定代理人の同意又は
許可を得ることなく、Aに売買の代理権を
与えてCとの間で土地の売買契約を締結する
ことができ、この契約を取消すことはできない。

 

 

 

解答×法定代理人の同意又は許可を得ていない
のだからBは未成年者であることを理由に、
この契約を取り消すことができる。

 

 

 

4 AがBに無断でCと売買契約をしたが、
Bがそれを知らないでDに売却して移転登記を
した後でも、BがAの行為を追認すれば
DはCに所有権取得を対抗できなくなる。

 

 

 

解答×Bの追認によりBC間の売買契約も有効と
なっているので、Bを起点とする二重譲渡の
関係が成立している。
本肢ではDが先に登記を得ているのでDはCに
対して所有権の取得を対抗できる。

 

 

 

「松村のワンポイントレッスン」

 

選択肢3は制限行為能力者制度の趣旨に照らし
未成年者の保護を第一義に考えれば、
法定代理人の同意又は許可がない以上、当然、
取消すことができることになります。

 

選択肢4は、登場人物が多いので混乱しそうに
なりますが、結局はCとDの間の二重譲渡の
論点に過ぎません。

 

このように一見、複雑そうな問題であっても、
問われていることの本質を見極めることが
できれば、正誤の判断をするのは、難しい
ことではありません。

 

ですので、複雑そうな問題が出てきた時には
いきなり正誤の判断をしようとするのではなく
まずは、図を描いたりすることによって
その問題が問おうとしていることの本質を
しっかり見極めるように努めましょう。

 

 

 

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2013年2月20日の一問

平成16年第2問

 

 

 

B所有の土地をAがBの代理人として、Cとの
間で売買契約を締結した場合に関する次の記述
のうち、民法の規定及び判例によれば、正しい
ものはどれか。

 

 

 

1 AとBとが夫婦であり契約に関して何ら
取り決めのない場合には、不動産売買は
AB夫婦の日常の家事に関する法律行為の
範囲内にないとCが考えていた場合も、
本件売買契約は有効である。

 

 

 

解答×判例によると「夫婦の一方が日常家事の
範囲を超える法律行為をした場合、相手方が、
その法律行為が日常家事に関する法律行為の
範囲内にあると信じたことについて正当事由が
あるときは、権限踰越の表見代理の規定が
類推適用され、契約は有効になる。」とされる。
本肢では相手方が日常の家事に関する法律行為
の範囲内にないと考えているので、表見代理
の規定が類推適用されることはない。

 

 

 

2 Aが無権代理人である場合、CはBに
対して相当の期間を定めて、その期間内に
追認するか否かを催告することができ、Bが
期間内に確答をしない場合には、追認と
みなされ本件売買契約は有効となる。

 

 

 

解答×本人が期間内に確答をしない場合には、
追認拒絶したものとみなされる。

 

 

 

3 Aが無権代理人であっても、Bの死亡に
よりAがDとともにBを共同相続した場合には、
Dが追認を拒絶していても、Aの相続分に
相当する部分についての売買契約は、相続開始
と同時に有効となる。

 

 

 

解答×無権代理人が本人を共同相続した場合、
被相続人の追認権は当然には分割されず、
共同相続人全員が一致してはじめて行使できる
というのが判例の見解である。
本肢では他の相続人が追認拒絶しているので、
共同相続人全員が一致して追認することは
できずAの相続分に相当する部分についての
売買契約も相続開始と同時に有効になる
わけではない。

 

 

 

4 Aが無権代理人であって、Aの死亡により
Bが単独でAを相続した場合には、Bは追認を
拒絶できるがCがAの無権代理につき
善意無過失であれば、CはBに対して損害賠償
を請求することができる。

 

 

 

解答○Bは自らが無権代行為を行ったわけでは
ないので追認を拒絶できるが、無権代理人の
地位を相続しているので相手方が無権代理に
つき善意無過失ならば、無権代理人としての
責任を負うことになる。
よって相手方CはBに対して履行または
損害賠償を請求することができる。

 

 

 

「松村のワンポイントレッスン」

 

選択肢4の事案とは逆に
無権代理人が本人を相続した場合には
契約は当然に有効となります。

 

無権代理行為を自ら行った者が本人を
相続したからといって、本人が有していた
追認拒絶権を行使することは
信義誠実の原則に反し、認めることが
できないからです。

 

 

 

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表見代理とは

表見代理とは
無権代理人に代理権があるかのような
外観があることにつき、
本人に一定の責任が認められる場合に
その代理行為を有効なものとして
取り扱う制度です。

 

無権代理人に代理権があるかのような
外観があることにつき
責任のある本人に
その責任をとらせようということ
ですね。

 

相手方が表見代理によって契約の有効を
主張するには
相手方が
・代理権がないことを知らず(善意)しかも
・そのことについて過失がない(無過失)
ことが条件となります。

 

これは、相手方が代理人に
代理権がないことを知っていたり(悪意)
知らないことについて過失がある(有過失)
場合にまで
契約が有効であることを主張して
本人の責任を追及することを
認める必要がないからです。

 

なお
表見代理には
・代理権授与の表示による表見代理
(本人が本当は代理権を与えていないのに
代理権を与えたかのような表示をした場合)
・権限外の行為の表見代理
(代理人が基本代理権の範囲を超えた
代理行為をした場合)
・代理権消滅後の表見代理
(以前代理人だったものが代理権消滅後に
代理行為を行った場合)
の3つのパターンがあります。

 

無権代理とは

無権代理とは
代理権を有しない者が他人を代理することです。

 

無権代理による契約は原則として無効とされます。

 

無権代理人が勝手にした契約が有効になっては、
本人としては、たまったものではないからです。

 

ただし、本人が追認すれば
契約の時に遡って有効となります。

 

無権代理人による契約を本人が自分にとって
有利なものと判断すれば追認によって有効とすることを
認めるべきだからです。