取消し」タグアーカイブ

2013年2月15日の一問

平成14年第1問

 

 

 

AがBの欺罔行為によって、A所有の建物を
Cに売却する契約をした場合に関する次の
記述のうち、民法の規定及び判例によれば、
誤っているものはどれか。

 

 

 

1 Aは、Bが欺罔行為をしたことを、Cが
知っているときでないと、売買契約の取消し
をすることができない。

 

 

 

解答○第三者の詐欺の場合、契約の相手方が
そのことについて悪意であることが取消権
行使の要件となっている。

 

 

 

2 AがCに所有権移転登記を済ませ、Cが
Aに代金を完済した後、詐欺による有効な
取消しがなされたときには、登記の抹消と
代金の返還は同時履行の関係になる。

 

 

 

解答○本肢のとおり。詐欺による取消し後の、
売主買主双方が行う原状回復は同時履行の
関係になる。

 

 

 

3 Aは、詐欺に気が付いていたが、契約
に基づき、異議を留めることなく
所有権移転登記手続をし、代金を請求して
いた場合、詐欺による取消しをすることは
できない。

 

 

 

解答○詐欺に気づいた後になされている
「異議を留めることなく所有権移転登記手続
をし」は法定追認事由
「全部又は一部の履行」に、「代金を請求」
は「履行の請求」に該当する。
よって本肢のAは既に法定追認をなしており、
詐欺による取消しをすることはできない。

 

 

 

4 Cが当該建物を、詐欺について善意の
Dに転売して所有権移転登記を済ませても、
Aは詐欺による取り消しをして、Dから建物
の返還を求めることができる。

 

 

 

解答×本肢のとおり。詐欺による取消しは善意
の第三者に対抗できない。

 

 

 

「松村のワンポイントレッスン」

詐欺については強迫との違いをおさえることが
重要です。

 

 

本問で言えば違いが出るのは1と4ですね。

 

 

第三者の詐欺の場合、契約の相手方が
そのことについて悪意であることが取消権
行使の要件となっていますが、
第三者の強迫の場合、契約の相手方の
善意・悪意を問わず取消権を行使することが
できます。

 

 

また、詐欺による取消しは善意の第三者に
対抗できませんが、
強迫による取消しは善意の第三者にも
対抗することができます。

 

 

いずれも基本的な論点だけに取りこぼしは
許されませんので、しっかりと覚えて
おきましょう。

 

 

 

 

取消しとは

取消しとは
ある法律行為について行為の時に遡って
なかったことにする意思表示のことや。

 
・制限行為能力者が単独ではできないとされている
法律行為を単独でやってしまった場合や
・詐欺や強迫によって、瑕疵ある意思表示を
してしまった場合
にすることができんねん。

 

なお、取消しは一応は有効に成立した法律行為の
効果を事後的に否定するものやから、無効とは
別物やで。