次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 倒壊しそうなA所有の建物や工作物について、Aが倒壊防止の措置をとらないため、Aの
隣に住むBがAのために最小限度の緊急措置をとったとしても、Aの承諾がなければ、Bは
その費用をAに請求することはできない。

解答×事務管理における管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対
し、その償還を請求することができる。(民法702条1項)
※事務管理とは義務なく他人のために事務の管理をすること。

2 建物所有を目的とする借地人は、特段の事情がない限り、建物建築時に土地に石垣や擁
壁の設置、盛土や杭打ち等の変形加工をするには、必ず賃貸人の承諾を得なければならな
い。

解答×本肢のような行為は借地権の行使として通常のものであり、賃貸人の承諾を得なく
ても当然に行える。

3 建物の賃貸人が必要な修繕義務を履行しない場合、賃借人は目的物の使用収益に関係な
く賃料全額の支払を拒絶することができる。

解答×判例によると「賃貸家屋の破損、腐蝕の状況が居住に著しい支障を生ずるほどでな
い場合、賃借人は賃貸人の賃貸家屋修繕義務の不履行を理由に賃料全部の支払を拒むこと
ができない。」とされている。(最判昭和38年11月28日)

4 建物の賃貸人が賃貸物の保存に必要な修繕をする場合、賃借人は修繕工事のため使用収
益に支障が生じても、これを拒むことはできない。

解答〇本肢のとおり。
民法606条2項 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、こ
れを拒むことができない。