A銀行のBに対する貸付債権1,500万円につき、CがBの委託を受けて全額について連帯保証を
し、D及びEは物上保証人として自己の所有する不動産にそれぞれ抵当権を設定していた場
合、次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

l CがA銀行に対して債権全額について保証債務を履行した場合、Cは、D及びEの各不動
産に対する抵当権を実行して1,500万円を回収することができる。

解答×保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位するものと
される。(民法501条5号)
つまり、本肢の場合、連帯保証人Cが物上保証人であるD及びEから回収することができる
金額は、債権金額1500万円のうち保証人と物上保証人の数(1:2)に応じて定まる
物上保証人の分担金額1000万円が限度ということになる。

2 A銀行がDの不動産の抵当権を実行して債権全額を回収した場合、DはCに対して、1,000万
円を限度として求償することができる。

解答×保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位するものと
される。(民法501条5号)つまり、本肢の場合、物上保証人Dが連帯保証人であるCから回
収することができる金額は、債権金額1500万円のうち保証人と物上保証人の数(1:2)に
応じて定まる保証人の分担金額500万円が限度ということになる。

3 第三者がDの所有する担保不動産を買い受けた後、CがA銀行に対して債権全額を弁済し
た場合、Cは代位の付記登記をしなければ、当該第三者に対してA銀行に代位することがで
きない。

解答×判例によると「担保権の目的である不動産の第三取得者の取得後に当該債務の弁済
をする保証人は、民法第501条第1号所定の代位の附記登記をしなくても、第三取得者に対
して債権者に代位する。」とされる。(最判 昭和41年11月18日)
民法第501条第1号 保証人は、あらかじめ先取特権、不動産質権又は抵当権の登記にその
代位を付記しなければ、その先取特権、不動産質権又は抵当権の目的である不動産の第三
取得者に対して債権者に代位することができない。

4 Eの担保不動産を買い受けた第三者がA銀行に対して債権全額を弁済した場合、当該第三
者は、Cに対して、弁済した額の一部を求償することができる。

解答〇とも×とも言えない。
民法501条2号「第三取得者は、保証人に対して債権者に代位しない。」に言う第三取得者
については物上保証人からの第三取得者を含むとする説(無制限説)と物上保証人からの
第三取得者を含まないとする説(区別説;すなわち債務者からの第三取得者だけが501条2
号にいう第三取得者であるとする説)がありますが、最高裁判例では、どちらの説をとる
かを明確に示したことがありません。