甲土地の所有者Aが、他人が所有している土地を通行することに関する次の記述のうち、民
法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 甲土地が他の土地に囲まれて公道に通じない場合、Aは、公道に出るために甲土地を囲ん
でいる他の土地を自由に選んで通行できるわけではない。

解答〇他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を
囲んでいる他の土地を通行することができる。
ただしこの場合には、通行の場所及び方法は、通行権を有する者のために必要であり、か
つ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
(民法210条1項・211条1項))

2 甲土地が共有物分割によって公道に通じなくなった場合、Aは、公道に出るために、通行
のための償金を支払うことなく、他の分割者の土地を通行することができる。

解答〇 民法213条1項より正しい。
民法213条1項 分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、
公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合においては、
償金を支払うことを要しない。

3 甲土地が公道に通じているか否かにかかわらず、他人が所有している土地を通行するた
めに当該土地の所有者と賃貸借契約を締結した場合、Aは当該土地を通行することができる。

解答〇契約自由の原則により、本肢のような契約も当然、認められる。

4 甲土地の隣接地の所有者が自らが使用するために当該隣接地内に通路を開設し、Aもその
通路を利用し続けると、甲土地が公道に通じていない場合には、Aは隣接地に関して時効に
よって通行地役権を取得することがある。

解答×最高裁判例によると「民法第283条にいう「継続」の要件をみたすには、承役地たる
べき土地の上に通路の開設があっただけでは足りず、その開設が要役地所有者によってな
されたことを要する。」とされている。
この点、本肢においては通路の開設が承役地の所有者によってなされているため、継続の
要件を満たさないことになる。
したがってAが隣接地に関して時効によって通行地役権を取得することはないという結論
になる。
民法283条 地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、
時効によって取得することができる。