賃貸借契約に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正
しいものはどれか。

l ゴルフ場経営を目的とする土地賃貸借契約については、対象となる全ての土地について
地代等の増減額請求に関する借地借家法第11条の規定が適用される。

解答×判例は「地上権設定契約及び土地賃貸借契約において,ゴルフ場経営を目的とする
ことが定められているにすぎず,当該土地が建物の所有と関連するような態様で使用され
ていることもうかがわれないという事実関係の下においては,借地借家法11条(地代等
増減請求権)の類推適用をする余地はない。」としている。(最判平成25年01月22日)
借地権はあくまで建物の所有を目的とするものであることを考えれば、当然の結論と言え
る。

2 借地権の存続期間が満了する際、借地権者の契約の更新請求に対し、借地権設定者が遅
滞なく異議を述べた場合には、借地契約は当然に終了する。

解答×借地権設定者が異議を述べるには正当の事由が必要である。
したがって借地権設定者が遅滞なく異議を述べさえすれば、借地契約は当然に終了すると
は言えない。

3 二筆以上ある土地の借地権者が、そのうちの一筆の土地上に登記ある建物を所有し、登
記ある建物がない他方の土地は庭として使用するために賃借しているにすぎない場合、登
記ある建物がない土地には、借地借家法第10条第1項による対抗力は及ばない。

解答〇判例は「甲土地を無償で借り受け、同土地上に居宅を所有する者が、乙の所有の隣
接土地、乙土地を居宅の庭として使用するため賃借したにすぎず、しかも、甲土地の使用
権は乙土地の賃借権の存否にかかわらず存続すべきものである等判示の事情のもとにおい
ては、たとえ当該賃借人が甲乙両土地を一括して居宅利用の便益に供しており、かつ、居
宅について登記をしていても、乙土地の賃借権は対抗力を有しない。」としています。
(最判昭和40年06月29日)

4 借地権の存続期間が満了する前に建物が滅失し、借地権者が残存期間を超えて存続すべ
き建物を建築した場合、借地権設定者が異議を述べない限り、借地権は建物が築造された
日から当然に20年間存続する。

解答×借地借家法7条1項によると「借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失があっ
た場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建
物を築造するにつき借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権は、承諾があった日又
は建物が築造された日のいずれか早い日から二十年間存続する。」とされている。
借地権設定者が異議を述べない場合の承諾についてのみなし規定はあるものの(借地借家
法7条2項)、承諾があることが原則である以上「借地権設定者が異議を述べない限り、『当
然に』20年間存続する。」とは言えない。