債務不履行に基づく損害賠償請求権に関する次の
記述のうち、民法の規定及び判例によれば、
誤っているものはどれか。

 

 

1 AがBと契約を締結する前に、信義則上の
説明義務に違反して契約締結の判断に重要な影響
を与える情報をBに提供しなかった場合、Bが
契約を締結したことにより被った損害につき、
Aは、不法行為による賠償責任を負うことは
あっても、債務不履行による賠償責任を負うこと
はない。

 

 

解答○判例によると「契約の一方当事者が、
当該契約の締結に先立ち,信義則上の説明義務に
違反して,当該契約を締結するか否かに関する
判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に
提供しなかった場合には,上記一方当事者は
相手方が当該契約を締結したことにより被った
損害につき、不法行為による賠償責任を
負うことがあるのは格別、当該契約上の
債務の不履行による賠償責任を
負うことはない。」とされています。

 

 

2 AB間の利息付金銭消費貸借契約において、
利率に関する定めがない場合、借主Bが
債務不履行に陥ったことによりAがBに対して
請求することができる遅延損害金は、
年5分の利率により算出する。

 

 

解答○民法419条1項で「金銭の給付を目的と
する債務の不履行については、その損害賠償の
額は、法定利率(年五分)によって定める。
ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、
約定利率による。」とされています。

 

 

3 AB間でB所有の甲不動産の売買契約を
締結した後、Bが甲不動産をCに二重譲渡して
Cが登記を具備した場合、AはBに対して
債務不履行に基づく損害賠償請求をすることが
できる。

 

 

解答○ 二重譲渡があり、一方の譲受人が登記
を備えた場合、譲渡人の他方の譲受人に対する
債務は履行不能となる。
したがって他方の譲受人は譲渡人に対して
債務不履行に基づく損害賠償請求をすることが
できることになる。

 

 

4 AB間の金銭消費貸借契約において、
借主Bは当該契約に基づく金銭の返済をCから
Bに支払われる売掛代金で予定していたが、
その入金がなかった(Bの責めに帰すべき事由
はない。)ため、返済期間が経過してしまった
場合、Bは債務不履行に陥らず、Aに対して
遅延損害金の支払義務を負わない。

 

 

解答×返済に充てる予定の売掛代金の入金が
なかったことについて債務者に責めに帰すべき
事由がなかったとしても、実際に返済をせずに
返済期間が経過してしまったのだから、
債務不履行に陥っていることは間違いない。
したがって当然、債権者に対して遅延損害金の
支払義務も負うことになる。