A所有の甲土地につき、Aから売却に関する代理権
を与えられていないBが、Aの代理人として、
Cとの間で売買契約を締結した場合における次の
記述のうち、民法の規定及び判例によれば、
誤っているものはどれか。
なお、表見代理は成立しないものとする。

 

1 Bの無権代理行為をAが追認した場合には、
AC間の売買契約は有効となる。

 

解答○ 本肢のとおり。(無権代理行為の)追認は、
別段の意思表示がないときは、契約の時に
さかのぼってその効力を生ずる。(民法116条)

 

2 Aの死亡により、BがAの唯一の相続人として
相続した場合、Bは、Aの追認拒絶権を
相続するので、自らの無権代理行為の追認を
拒絶することができる。

 

解答× 無権代理人が本人の唯一の相続人となった
場合、無権代理行為は当然に有効となる。
無権代理人が本人から相続した追認拒絶権を
行使することは、信義則に反し、許されない
からである。

 

3 Bの死亡により、AがBの唯一の相続人として
相続した場合、AがBの無権代理行為の追認を
拒絶しても信義則には反せず、AC間の売買契約が
当然に有効になるわけではない。

 

解答○ 本人が無権代理人の唯一の相続人となった
場合、無権代理行為は当然には有効とならない。
本人が追認拒絶権を行使しても信義則に
反することはないからである。

 

4 Aの死亡により、BがDとともにAを相続した
場合、DがBの無権代理行為を追認しない限り、
Bの相続分に相当する部分においても、AC間の
売買契約が当然に有効になるわけではない。

 

解答○ 本肢のとおり。判例によると「無権代理人
が本人を共同相続した場合には、共同相続人全員が
共同して無権代理行為を追認しない限り、
無権代理人の相続分に相当する部分においても、
無権代理行為が当然に有効となるものではない。」
とされる。