次の1から4までの記述のうち、民法の
規定及び下記判決文によれば、明らかに
誤っているものはどれか。

 

(判決文)

売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵
がありこれを建て替えざるを得ない場合に
おいて、当該瑕疵が構造耐力上の安全性に
かかわるものであるため建物が倒壊する
具体的なおそれがあるなど、社会通念上、
建物自体が社会経済的な価値を有しないと
評価すべきものであるときには、上記建物
の買主がこれに居住していたという利益に
ついては、当該買主からの工事施工者等に
対する建て替え費用相当額の損害賠償請求
において損益相殺ないし損益相殺的な調整
の対象として損害額から控除することは
できないと解するのが相当である。

 

1 売買の目的物である新築建物に重大な
瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない
場合、買主は、工事施工者に対して
損害賠償請求をすることができる。

 

解答○上記の判決文で争点となっている
のは、「損害賠償請求において損益相殺
ないし損益相殺的な調整の対象として
損害額から控除することができるか」
である。
つまり、その前提として損害賠償請求は
できることになる。

 

2 売買の目的物である新築建物に、
建て替えざるを得ないような重大な隠れた
瑕疵があって契約の目的を達成できない
場合には、買主は売買契約を解除すること
ができる。

 

解答○民法570 条で「売買の目的物に
隠れた瑕疵があったときは、買主がこれを
知らず、かつ、そのために契約をした目的
を達することができないときは、買主は、
契約の解除をすることができる。」と
定められている。

 

3 売買の目的物である新築建物に
建て替えざるを得ない重大な瑕疵があり、
同建物が社会通念上社会経済的な価値を
有しないと評価すべきものである場合、
当該建物が現実に倒壊していないので
あれば、買主からの工事施工者に対する
建て替え費用相当額の損害賠償請求
において、買主の居住利益が損害額から
控除される。

 

解答×判決文では「社会通念上、建物自体
が社会経済的な価値を有しないと評価
すべきものであるときには、買主の
居住利益については、買主からの
工事施工者等に対する建て替え費用相当額
の損害賠償請求において損益相殺ないし
損益相殺的な調整の対象として損害額から
控除することはできないと解するのが相当
である。」としている。
つまり、建物が現実に倒壊していなくても
社会通念上、建物自体が社会経済的な価値
を有しないと評価すべきものであるとき
には、居住利益を損害額から控除すること
はないのである。

 

4 売買の目的物である新築建物に
建て替えざるを得ない重大な瑕疵があり、
同建物が社会通念上社会経済的な価値を
有しないと評価すべきものである場合、
買主が当該建物に居住したまま工事施工者
に対して建て替え費用相当額を請求しても、
買主の居住利益が損害額から控除される
ことはない。

 

解答○判決文では「社会通念上、建物自体
が社会経済的な価値を有しないと評価
すべきものであるときには、買主の
居住利益については、買主からの
工事施工者等に対する建て替え費用相当額
の損害賠償請求において損益相殺ないし
損益相殺的な調整の対象として損害額から
控除することはできないと解するのが相当
である。」としている。

 

 

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