自らが所有している甲土地を有効利用したいAと、
同土地上で事業を行いたいBとの間の契約に
関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の
規定によれば、誤っているものはどれか。

 

1 甲土地につき、Bが建物を所有して小売業を
行う目的で公正証書によらずに存続期間を35年
とする土地の賃貸借契約を締結する場合、約定の
期間、当該契約は存続する。しかし、Bが建物を
建築せず駐車場用地として利用する目的で
存続期間を35年として土地の賃貸借契約を締結
する場合には、期間は定めなかったものと
みなされる。

 

解答×前半は正しい。後半は誤り。
建物所有を目的としない借地権には借地借家法は
適用されず、民法が適用される。
民法では賃貸借の最長期間は20年とされ、これを
超える期間を定めた場合には20年に短縮すると
されている。
期間は定めなかったものとみなされるわけでは
ない。

 

2 甲土地につき、Bが1年間の期間限定の
催し物会場としての建物を建築して一時使用する
目的で土地の賃貸借契約を締結する場合には、
当該契約の更新をしない特約は有効である。
しかし、Bが居住用賃貸マンションを所有して
全室を賃貸事業に供する目的で土地の賃貸借契約
を締結する場合には、公正証書により存続期間を
15年としても、更新しない特約は無効である。

 

解答○一時使用する目的で土地の賃貸借契約を
締結する場合には、借地借家法の存続期間に
関する規定や、更新に関する規定は適用されない。
よって存続期間を1年とし、更新もしないとする
ことができる。
よって前半は正しい。
居住用建物を所有するために事業用借地権を
設定することはできない。よって公正証書により
存続期間を15年としても、更新しない特約は
無効であり、後半も正しい。

 

3 甲土地につき、小売業を行うというBの
計画に対し、借地借家法が定める要件に従えば、
甲土地の賃貸借契約締結によっても、又は、
甲土地上にAが建物を建築しその建物について
AB間で賃貸借契約を締結することによっても、
Aは20年後に賃貸借契約を更新させずに終了
させることができる。

 

解答○土地の賃貸借契約について事業用借地権
とすることによって、建物の賃貸借契約に
ついては定期建物賃貸借とすることによって
それぞれ20年後に賃貸借契約を更新させずに
終了させることができる。

 

4 甲土地につき、Bが建物を所有して小売業
を行う目的で存続期間を30年とする土地の
賃貸借契約を締結している期間の途中で、Aが
甲土地をCに売却してCが所有権移転登記を
備えた場合、当該契約が公正証書で
なされていても、BはCに対して賃借権を対抗
することができない場合がある。

 

解答○対抗要件を備えていなければ当然対抗
できない。

 

 

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