事業者Aが雇用している従業員Bが行った
不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定
及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

1 Bの不法行為がAの事業の執行につき
行われたものであり、Aに使用者としての
損害賠償責任が発生する場合Bには被害者に
対する不法行為に基づく損害賠償責任は発生
しない。

 

解答×使用者に損害賠償責任が発生する場合にも、
被用者は被害者に対する損害賠償責任を免れる
ことはできない。

 

2 Bが営業時間中にA所有の自動車を
運転して取引先に行く途中に前方不注意で
人身事故を発生させても、Aに無断で自動車を
運転していた場合、Aに使用者としての
損害賠償責任は発生しない。

 

解答×使用者責任が成立するためには、使用者の
事業の執行につき、被用者が不法行為により、
第三者に損害を与えていることが必要となる。
本肢の場合、Bは営業時間中に取引先に行く途中
に前方不注意で人身事故を発生させているの
だから、使用者の事業の執行につき不法行為に
より第三者に損害を与えていると言える。
よってAに使用者としての損害賠償責任が発生
することになる。

 

3 Bの不法行為がAの事業の執行につき
行われたものであり、Aに使用者としての
損害賠償責任が発生する場合Aが被害者に対して
売買代金債権を有していれば、被害者は不法行為
に基づく損害賠償債権で売買代金債務を相殺する
ことができる。

 

解答○不法行為に基づく損害賠償請求権を
受働債権とする相殺は禁止されている。

 

4 Bの不法行為がAの事業の執行につき
行われたものであり、Aが使用者としての
損害賠償責任を負担した場合A自身は不法行為を
行っていない以上、Aは負担した損害額の
2分の1をBに対して求償できる。

 

解答×使用者が弁済をなした場合の求償権の範囲
は損害の公平な分担という見地から信義則に
照らして妥当な範囲とされている。
必ずしも2分の1の求償ができるわけではない。

 

 

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