借主Aは、B所有の建物について貸主Bとの間
で賃貸借契約を締結し、敷金として
賃料2ヵ月分に相当する金額をBに対して
支払ったが、当該敷金についてBによる
賃料債権への充当はされていない。
この場合、民法の規定及び判例によれば、次の
記述のうち正しいものはどれか。

 

1 賃貸借契約が終了した場合、建物明渡しと
敷金返還とは同時履行の関係に立たず、Aの
建物明渡しはBから敷金の返還された後に
行えばよい。

 

解答×建物の明渡し債務が先履行である。
敷金返還債務は、建物の明渡し債務が
履行された後に行使できることになる。
敷金は建物明渡しまでに賃借人が賃貸借関係に
よって賃貸人に対して負うことになる債務を
担保するためのものだからである。

 

2 賃貸借契約期間中にBが建物をCに譲渡
した場合で、Cが賃貸人の地位を承継したとき、
敷金に関する権利義務は当然にCに承継される。

 

解答○昭和44年7月17日付最高裁判例は
「建物賃貸借契約において、当該建物の
所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継が
あった場合には、旧賃貸人に差し入れられた
敷金は、未払賃料債務があればこれに当然
充当され、残額についてその権利義務関係が
新賃貸人に承継される。」としている。

 

3 賃貸借契約期間中にAがDに対して賃借権
を譲渡した場合で、Bがこの賃借権譲渡を承諾
したとき、敷金に関する権利義務は当然にDに
承継される。

 

解答×昭和53年12月22日付最高裁判例は
「土地賃借権が賃貸人の承諾を得て旧賃借人
から新賃借人に移転された場合であっても、
敷金に関する敷金交付者の権利義務関係は、
敷金交付者において賃貸人との間で敷金を
もって新賃借人の債務の担保とすることを約し
又は新賃借人に対して敷金返還請求権を譲渡
するなど特段の事情のない限り、新賃借人に
承継されない。」
としている。
よって本肢の場合も敷金に関する権利義務は
当然には新賃借人Dに承継されない。

 

4 賃貸借契約が終了した後、Aが建物を
明け渡す前に、Bが建物をEに譲渡した場合で、
BE間でEに敷金を承継させる旨を合意した
とき、敷金に関する権利義務は当然にEに
承継される。

 

解答×本肢の場合、Eが建物所有権を得たのは
賃貸借契約終了後であるからEは賃貸借契約に
ついては全く無関係である。
したがってBE間の合意があっても敷金に
関する権利義務が当然にEに承継されることは
ない。

 

 

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