甲建物の占有者である(所有者ではない。)Aは、
甲建物の壁が今にも剥離しそうであると
分かっていたのに、甲建物の所有者に通知せず、
そのまま放置するなど、損害発生の防止のため
法律上要求される注意を行わなかった。
そのために壁が剥離して通行人Bが死亡した。
この場合、Bの相続人からの不法行為に基づく
損害賠償請求に関する次の記述のうち、民法の
規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 

1 Bが即死した場合、B本人の損害賠償請求権
は観念できず、その請求権の相続による相続人
への承継はない。

 

解答×即死の場合にも本人に損害賠償請求権は
発生しており、その請求権の相続による相続人
への承継もある。

 

2 Bに配偶者と子がいた場合は、その配偶者と
子は、Bの死亡による自己の精神上の苦痛に関し、
自己の権利として損害賠償請求権を有する。
解答○本肢のとおり。
他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、
配偶者及び子に対しては、その財産権が
侵害されなかった場合においても、損害の賠償を
しなければならない。

 

3 Bの相続人は、Aに対しては損害賠償請求が
できるが、甲建物の所有者に対しては、
損害賠償請求ができない。

 

解答○民法717条によると「土地の工作物の設置
又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を
生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に
対してその損害を賠償する責任を負う。
ただし、占有者が損害の発生を防止するのに
必要な注意をしたときは、所有者がその損害を
賠償しなければならない。 」とされる。
本肢では占有者Aが損害の発生を防止するのに
必要な注意をしていないのでBの相続人はAに
対しては損害賠償請求できるが、所有者に
対しては、損害賠償請求ができない。

 

4 壁の剥離につき、壁の施工業者にも一部責任
がある場合には、Aは、その施工業者に対して
求償権を行使することができる。

 

解答○本肢のとおり。
「損害の原因について他にその責任を負う者が
あるときは、占有者又は所有者は、その者に
対して求償権を行使することができる。 」と
される。

 

 

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